ポコロンダンジョンズ、アートディレクター兼イラストレーターの いのっち です。
ペイントツールの比較についてのまとめサイトを見ていると初心者の方が選ぶソフトのおすすめを紹介しているものが多く、あまり深堀した内容になっていないものが多いです。
今回はペイントツールに慣れたが他のソフトはどういった利点があるのだろうと気になる人向けに
イラストを制作する上でよく使う機能や特徴を3種類のペイントツールの良い点と悪い点を挙げ比較していこうと思います。
①SAI
~良い点~
■描き味がなめらかで非常に描きやすい
・どこのサイト、愛用者からも描きやすいという声が多い。個人的にもダントツで描きやすいと思います。
■動作が軽い
・フォルダ内にたくさんのレイヤーがあっても変形、移動がサクサク行える
■フォルダ内レイヤー一括で色相、彩度、明るさ、コントラストの調整が容易にできる
・他のツールにない特徴、レイヤーを増やさずに色を調整できる優れ機能
~悪い点~
■レイヤー数の制限が少ない(致命的)
・256枚がレイヤー数の上限になっている※開発中のSAI2ではレイヤー数が8190枚が上限になる予定
■機能が少ない
・パース機能、全体ぼかしなどのフィルター機能、レイヤー効果、文字ツール、アクション機能などなど
動作を軽くするためかイラスト制作の最低限の機能しか備わっていない
■CLIP STUDIO PAINT、Photoshopと比べると落ちやすい
・メモリが4GBまでしか使用できないので重い作業になると固まりやすい
■レイヤー、フォルダを複数選択できない
・レイヤー、フォルダを複数選択して別のフォルダ内やレイヤー層にまとめて移動できなく不便
②CLIP STUDIO PAINT
~良い点~
■描き味は良い方
・SAIには劣るが設定次第で近い描き味が出せる
・入り抜きなど細かく設定ができるのでカスタム重視な人はSAIより描きやすいかも
■レイヤーを分けた状態でフォルダごと切り貼り歪み変形が可能(凄く便利!)
・SAI、Photoshopではできない機能、特にパーツモーション用のイラストを制作する場合に大活躍
■レイヤーの色変えがショートカット一つでできる
・編集→線の色を描画色に変更 というものがあり こちらをショートカットに登録するとできる
・SAIではレイヤーを保護→【ctrl】+【F】の2工程
・Photoshopではレイヤーをダブルクリック→カラーオーバーレイにチェックし描画モードを通常で隣の色を変更→OKクリックの超複雑行程
■イラストに関する機能が多い
・パス定規ツールや3Dモデル、漫画制作で必要なトーンやコマ割りなどの機能が備わっている
~悪い点~
■慣れに時間がかかる
・絵を描くことを考えられて作られているためPhotoshop程ではないが機能が多いため覚えることが多い
■変形、拡大縮小、移動すると線画ぼやける(致命的)
・ラスターレイヤーで描いた線では変形、拡大縮小、移動をしない方がいい
・ベクターレイヤー(パス)で描いた線であれば問題なし
(ベクターレイヤーはCLIP STUDIO PAINT専用拡張子のclipでないと保存されないので注意)
※ベクターについてはこちらを参考
■変形、拡大縮小、移動する時かなり重い
・SAI、Photoshopで比べると一番重い
■別名で保存をすると作業中のデータも別名で保存した拡張子になってしまう
・別名でpngなどの画像を保存した場合、psdやclipで作業していたのにpngデータになってしまい保存をやり忘れることがある
・作業中の拡張子を変えずにpngなどの別の拡張子として保存したい場合は 複製を保存をやると問題なくできます
③Photoshop
~良い点~
■フィルター機能の充実
・歪み変形や部分拡大、レンズ補正、などなど多種多様なフィルターが備わっている
・CLIP STUDIO PAINTと違ってレイヤーが一枚でないと使えないので絵を描く場合ラフの段階でしか活用できない
~悪い点~
■慣れに時間がかかる
・加工の機能が多い分覚えることも多い
■変形、拡大縮小、移動する時重い
・CLIP STUDIO PAINT程ではないが重たい、環境設定でメモリ配分を調整すると少し改善する
比較
用途ごとに順位をつけてみました。
■イラストを描きやすくお手軽なソフト
1位 SAI
2位 CLIP STUDIO PAINT
3位 Photoshop
■絵を描くのに必要な機能の多いソフト
1位 CLIP STUDIO PAINT
2位 Photoshop
3位 SAI
■画像の加工やグッズデータなどを制作するための機能が多いソフト
1位 Photoshop
2位 CLIP STUDIO PAINT
3位 SAI
※Photoshopでないと制作できない程重要
イラストには CLIP STUDIO PAINT 1つあれば大凡問題なく制作できると思います。
SAI を使うのであれば Photoshop はあった方が表現の幅がかなり広くなると思いますが
開発中の SAI2 が完成すれば順位も変わっていくかもしれません。
グッズや紙媒体のデータも制作する場合は Photoshop が必需品。
制作する物に合わせてツールを使い制作効率をあげて行きましょう!!
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